ワークショップのご案内

1.日時
2008年8月3日(日)  10:00 ~ 16:00

2.場所
関西大学(千里山キャンパス)100周年記念会館
(大阪府吹田市山手町3丁目3番35号)

3.参加費
正会員・準会員   8,000円
臨時会員(非会員) 9,000円
(※学生料金設定はありません。)

4.昼食
お弁当を予約することも出来ます(予約弁当費  1,000円)。
夏期休暇中の休日であり、大学内の飲食店が開いているかどうかは現時点では未定ですので、ご持参いただくか、お弁当を予約されることをお勧めいたします。大会会場の最寄り駅から関西大学正門までの間にコンビニはあります。

5.申込
ワークショップは全部で7つ行われます。同封の郵便振替用紙に希望するコースを第3希望まで書き、参加費をご納入ください。先着順に第1希望のコースを受講していただきます。第1希望のコースが多数の場合、第2・3希望のコースに回っていただくこともございますので、あらかじめご了承ください。また当日の受付はございませんので、必ず事前提出をお願いい弁当を予約される方はそれも合わせてご納入ください。参加費の確認が出来た時点で申込受付とします(先着順)。なお、ご希望のワークショップが定員受付を超えていた場合にはご返金いたします。どのコースも定員は40名ですが、希望者の状況によっては大きな会場を使い、定員増加を行って、少しでも希望に添えるよう調整を行います。

ワークショップ申込は、大会予約参加申込とは別になっていることをご留意ください。
当日、事前に郵送するワークショップ受講章を必ずお持ちいただくようお願いいたします。

振込先:
郵便振替口座00970-7-193809
「日本人間性心理学会第27回大会」

払込取扱票の記入例(クリックして拡大):

コースの内容と講師紹介
(講師名の五十音順)


コース1 来談者から学ぶために  講師:小野 修
心理臨床家としての成長・実力向上のための、あなたの学びの源泉はどこですか? 今回は、私と一緒に「来談者から学ぶ」という道を考えてみませんか。
①『来談者から学ぶ対人援助者の成長』(『人間性心理学研究』11(1),pp.83-95.)
②『対人援助者成長の一方法―『気付きカード法』―』(『人間性心理学研究』24(2),pp.13-22.)
③『来談者から学ぼうとする対人援助者―そのあり方の援助的効果仮説―』(未発表)
の3部に分けて、お互いに学んでいきましょう。できるだけ演習を多くする予定です。これらの文献コピーについては当日お配りします。身近なSV機会の乏しい方々、行き詰まり感・不成就感・自己不全感、燃え尽き感にお悩みの方々にとって、そこからの脱出のきっかけにならないかと願っております。

<講師紹介>1934年生まれ。京大教育学部卒業後実家に帰り、香川県職員(心理職)歴30年。教護院3年、精神衛生センター2年の他は児童相談所心理判定員、判定課長、最後8年は所長、その間婦相所長、精更相所長兼務。53歳の時から某私大で教養の心理学担当3年、臨床心理士養成大学院教員3年。元人間関係研究会スタッフ。最大のフィールドは『不登校児の親のグループ』、現在30年目を継続中です。そこから学んだことで、単行本4冊と幾つかの論文が生まれました。高松で『カウンセリング基礎講座』を主催、実施中です。(4月より第3期予定)


コース2 サポート・グループ ~ 実践の広がりと、目指している世界 ~ 講師:高松 里
「どうしようもないこと」ってたくさんあると思いませんか。死別(病死や自死)、虐待や暴力(戦争や犯罪)によるトラウマ、身体障害、慢性疾患、嗜癖、年を取ること…。これらの問題の多くは、乗り越えることも、改善することも、治すこともできません。問題を受け入れ、共に生きていくしかない。しかし、もし同じ問題を背負う仲間がいれば、ずっと生きていきやすくなります。また辛いとしか思わなかったことからも、何かしら意味を感じ取れるようになっていきます。
サポート・グループは、当事者以外の人々(専門家等)によって運営される小グループです。ここ数年たくさんの実践が行われてきましたので、それらのグループを紹介したいと思います。また、サポート・グループが持っている世界観(あなたはあなたのままでいい、等)について、皆さんと一緒に話し合っていきたいと思っています。なお、当日は講師以外に、ゲストを何人か呼ぶ予定にしています。

<講師紹介>留学生センターでの仕事を含めて、地域心理臨床にずっとかかわってきました。サポート・グループというアイディアを提案し、多くのグループが生まれ、そのスーパービジョンも行ってきました。地域社会に住む多くのマイノリティの人々(障害、病気、人種、犯罪被害、戦争被害等)のネットワークが広がり、人々が誰にも脅かされず安心して平和に生きることができる世界を目指しています。
九州大学留学生センター 准教授 (臨床心理士、多文化間カウンセラー)。
著書:「セルフヘルプ・グループとサポート・グループ実施ガイド」(金剛出版、2004年)
「サポート・グループの実践と展開(仮題)」(金剛出版、2008年発行予定)


コース3  キャリア・ライフプランニングワークショップ ~自分らしい働き方・生き方をデザインすることを通して、キャリアカウンセリングの理論と実践を学ぶ~ 講師:平井達也
21世紀に入り、自分の仕事のやりがいや人生の生きがいを自ら創出していく時代が到来しています。それに伴い、「自分のキャリアや人生プランを見直してみたい」、「仕事のやりがいを見つけたい」、「第二の人生の生き方を考えたい」など、 自分らしい働き方や生き方を求めるニーズも高まっています。本ワークショップでは、日本では比較的新しい分野であるキャリアカウンセリングの理論や実践を学ぶことを通して、参加者のみなさんが自分の強みや可能性を発見し、それを自分らしい生き方に活かしていくことを目的としています。具体的には、講義・グループワーク・ロールプレイなど多彩な学習方法を用いながら、キャリアカウンセリングの理論、スキル、グループワークのデザインなどを、体験的にかつ楽しみながら学べるようにデザインされています。今後もニーズが高まると思われるキャリアカウンセリングを、この機会にぜひご一緒に学んでみませんか。

<講師紹介>一橋大学社会学部卒業、九州大学大学院教育学研究科博士課程を修了。1998年からフルブライト奨学金により、アメリカ合衆国University of Minnesota大学院博士課程において、キャリアカウンセリング/カウンセリング心理学を学んで来ました。米国ではキャリアカウンセラーとして勤務した経験も持ち、日本に帰国後は大学生・大学院生や一般社会人、キャリアアドバイザーやカウンセラーなど幅広い層を対象に、キャリアワークショップの開催やキャリアカウンセリングの授業を行ってきました。現在, 九州産業大学専任講師(国際文化学部臨床心理学科)/九州大学健康科学センター非常勤カウンセラー/臨床心理士。


コース4  英国のPCAで大切にするもの ~英国のセラピストトレーニングコースから、日本の心理臨床のトレーニングを考える~ 講師:三國牧子
英国はPCAが盛んな国です。PCAのセラピストを育てる為の専門のトレーニングコースがあり、PCA専門の出版社もあります。またそのトレーニングの内容は世界的にみてもほかに類のない、PCAのプロを作る機関となっています。PCAのプロって何でしょうか?
トレーニングコースにはPCAの理論理解やカウンセリングの実践も含まれますが、何よりもこのコースを特徴付けているのは“Personal-Development”です。Personal-Developmentは私たちがどのように自分を見つめ、またセラピーの中での自分のあり方を知るために大切な自分自身の成長のためのトレーニングであり、このコースの中核をなすものです。なぜ、“自分自身の成長”をここまで大事にするのか? このことは英国のPCAのあり方に影響をしているようにも思われます。
私自身が実際に体験したPCAのトレーニングを通して私が感じたこと、また最近の英国で入手できるPCAの書物や理論を通して分かる、PCAで大切にするものを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

<講師紹介>幼稚園、インターナショナルスクールでの教員経験を経て、1999年英国イースト・アングリア大学のカウンセリングコースに留学し、ブライアン・ソーンに出会い、彼との交流からPCAの根底にある人に対する愛情を体験するという好機に恵まれました。修士課程を修了し、2001年帰国、学生相談室で相談業務をしています。カウンセリングの他にBEGにも多く関わり、多くの人との出会いを楽しんでいます。今回のワークショップでの新しい出会いを今から楽しみにしています。昨年末に翻訳した英国の本「パーソンセンタードアプローチの最前線:PCA諸派のめざすもの」(コスモスライブラリー)は、英国のPCA事情を知るには最適の本です。
コース5 Experiential Collage Work(体験過程流コラージュ・ワーク) 講師:三宅麻希・矢野キエ・池見陽
私たちが体験過程流に行っているコラージュ法は、広く知られているコラージュ療法の実施法や解釈とは少し違っていることに気づき、最近論文にまとめました(Ikemi, Yano, Miyake, Matsuoka, 2007)。その特徴として、作成時にフェルトセンスを大切にできるような導入をすること、作成したコラージュを振り返りで言い表し、新しく形成されつつある意味を作成者自らが見出す過程を重視することが挙げられます。
本ワークショップでは、まずExperiential Collage Workについて概説し、実際にみなさんに体験していただきます。終わりには事例を提示し、ディスカッションしながら理論的意義も含めて理解を深めたいと思います。
※なお、ご参加される方は、「はさみ」「のり」「雑誌数冊」をご持参ください。

<講師紹介>
三宅麻希:The Focusing Institute 認定トレーナー、関西大学心理臨床カウンセリングルーム相談員、関西大学文学部非常勤講師。
矢野キエ:The Focusing Institute 認定トレーナー、関西大学文学研究科博士後期課程、大阪キリスト教短期大学助教。
池見 陽:関西大学教授(文学部、社会学研究科、心理学研究科)、The Focusing Institute 認定コーディネーター、日本人間性心理学会常任理事。


コース6 気づきと体験の共有を促す言葉:人間性心理学から一人称の科学へ 講師:村川治彦
このワークショップでは、人間性心理学が育んできた多様な伝統の中で、特に質的研究法に焦点を当てていきたいと思います。まず、ユージン・ジェンドリンとドン・ハンロン・ジョンソンが提起した「一人称の科学」をキーワードに、近代科学の枠組みの中で「主観的」として排除されてきた個人の体験をもう一度学問的探求に位置づける上での諸問題について考えていきます。そして、体験と言語の関係についてのジェンドリンの哲学、エリザベス・ベンケが示した現象学とセンサリーアウエアネスの関係などを参考に、個人の体験を主客二元論に陥らずに意味のある形で研究に活かしていくための具体的な記述の仕方やインタビュー法などの実習も行いたいと思います。学問の世界で自分自身の声を見失わず、また閉じた信仰の世界に籠らないために・・・。

<講師紹介>大学で宗教学を学んでいた時にトランスパーソナル心理学に出会い渡米しCalifornia Institute of Integral Studiesに入学しました。そこで個人を超える前に自分の「からだ」に根ざすことの大事さを痛感し、ゲシュタルト療法やセンサリーアウエアネス、太極拳など東洋と西洋の身体技法を体験しました。ところが修士論文を書く段になって、そうした学びが客観的に数値化されることでしか評価されない現実に愕然として、以来20年に渡りからだの探究を「一人称の科学」としてまとめることに関心をもってきました。2006年に帰国しCenter for East-West Dialogue の代表(2008年3月まで)、Association for Transpersonal Psychologyの常任理事として、日米の人間性心理学者、トランスパーソナル心理学者の交流に携わっています。2008年より関西大学文学部身体運動文化専修准教授。


コース7 ロジャーズの「態度条件」を学ぶ ~インタラクティヴ・フォーカシングを通して~ 講師:諸富祥彦
ジャネット・クラインが開発したインタラクティヴ・フォーカシングを通して、ロジャーズの態度条件をあらためて学びなおします。
インタラクティヴ・フォーカシングは、いくつかの制約されたルールがありますが、そのルールにもとづいたトレーニングをおこなうことによって、共感的理解や一致といったことを具体的に学び直す最良の方法になると思います。
講義だけでなく、実際のインタラクティブの体験に少しでも時間をとりたいと思っています。どうぞゆったりした気持ちでご参加ください。

<講師紹介>明治大学文学部教授 大学院の授業などを通して、インタラクティヴ・フォーカシングの学習が、ロジャーズの態度条件を学ぶいい方法であることを実感しています。
夏はすごく忙しくて、多少ばてているかもしれませんが、みなさんとゆったりした時間を過ごすことで、ゆとりを取り戻したいと感じています。はじめての方や久しぶりの方とお会いできるのを楽しみにしています。関大前のたこ焼きもたのしみです。
監訳『インタラクティブ・フォーカシング・セラピー』(誠信書房)
http://morotomi.net/